2016年にアメリカのニューヨーク州で、世界一辛い唐辛子「キャロライナ・リーパー」を食べるコンテストに参加した男性が、一つを食べたところ、すぐに吐き気と激しい頭痛に襲われて病院に運ばれるという出来事がありました。
男性は数日の間、激しい頭痛が数秒間繰り返し続く症状に襲われたといいます。
この出来事は、唐辛子を食べたことによる雷鳴頭痛の初めての症例として、症例報告データベース「BMJ Case Reports」に挙げられました。
この事例を研究した医師らによると、この男性はさまざまな神経系の検査では異常なしとの結果でしたが、一時的に脳への血管が攣縮(れんしゅく)する可逆性脳血管攣縮症候群(RCSV)と診断されました。
攣縮(れんしゅく)とは、痙攣性の収縮のことで、ピクピクと脈打つように血管が収縮する症状のことです。
この出来事により医師らは大変驚き、唐辛子を食べて突然頭痛が襲ってきたら、すぐに病院へ行くように注意を呼びかけている。
世界一辛い唐辛子 キャロライナ・リーパーとは?
私は完全に辛いのが苦手な種類の人間ですが、辛いのが好きな方も多いですね。
特に女性の方で辛いのが大好きという方も多いようです。
一昔前は、ハバネロが人気を博し、暴君と呼ばれたりもしました。
その後、ジョロキアが登場して以降、次々と世界一辛いと呼ばれる唐辛子が現れました。
今回、ニュースに上がっていた「キャロライナ・リーパー」とはどんな唐辛子なのでしょうか?
死神とも称されており、2013年に世界一辛い唐辛子としてギネスブックに認定されました。
形は、普通の細長い唐辛子とは違い、ほおずきのような丸い形をしています。
辛さは、ハラペーニョのおよそ196倍。
唐辛子で雷鳴頭痛はどうして起きた?
そんな唐辛子を食べたら、頭よりもお尻が痛くなりそう感じがしますが、雷鳴頭痛はどのようにして起きたのでしょうか?
まずは、雷鳴頭痛について知っておく必要があります。
雷鳴頭痛には、一次性と二次性があり、二次性雷鳴頭痛は他の重度な疾患が原因となるため特に注意が必要な頭痛です。
今回のような唐辛子による雷鳴頭痛は一次性雷鳴頭痛に当たります。
雷鳴頭痛の特徴としては、突発的に発生し、1分以内に痛みのピークを迎え、1時間~10日間程度継続する。
自然に回復し、数週間から数ヶ月の間は、症状が現れない。
まさに雷鳴のように瞬間的に轟くような痛みの頭痛ということですね。
では、このような雷鳴頭痛はどのようにして起こるのでしょうか?
可逆性脳血管攣縮症候群(RCSV)の症状のひとつとして雷鳴頭痛が現れます。
その主な原因は、咳をしたり、鼻をかんだり、急激な運動やびっくりしたりすると、それが起因となって血管が痙攣性の収縮をするため、激しい頭痛となって現れます。
また、入浴なども原因のひとつとして挙げられています。
今回の出来事のように、唐辛子を食べたことによって、瞬間的に身体が急激な反応をして、RCSVを発症したと考えられます。
RCSVは、可逆性であるため、自然に元に戻ることがほとんどですが、稀に痙攣や意識障害などを引き起こす場合もあるので注意が必要です。
まとめ
たまにテレビでも激辛特集だったり、罰ゲームのように激辛料理を食べさせられたりしているのを観ることがあります。
私は、辛いのが苦手なので、見るだけでノドの奥が熱くなって、お尻が痛くなります。
お尻に問題を抱えていたら、なおさら辛いものは控えた方がいいですね。
唐辛子に含まれているカプサイシンは、がんの抑制にも効果があると言われており、研究が進められているとのこと。
発汗作用もあり、新陳代謝を促進するとも言われていますが、先日のニュースでは発汗によるデトックス効果は期待できないとの報告もありました。
「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し」
今日の締めの一言です。
何事もやり過ぎは良くない。やり過ぎはやらないことと同じくらい有害だということ。
ほどほど、腹八分目が良いということでしょうか?