患者数として緊張型頭痛の次に多いのが片頭痛です。
日本人の約10%が片頭痛を抱えています。
ちなみに、緊張型頭痛は日本人の約20%が悩まされています。
医学用語として正しくは、「片頭痛」と表現されていますが、ネット上では「偏頭痛」と書かれているところも見かけます。
どちらも間違いではないですが、日本語で片頭痛、中国語で偏頭痛と表記されるそうです。
このサイトでは「片頭痛」で統一して記述していきます。
片頭痛の特徴
頭部の片側、もしくは両側のこめかみ辺りにズキンズキンと脈打つような痛みが発生します。
片頭痛が発生すると、4~72時間続きます。
20~40代の女性に多いと言われています。
女性ホルモンのバランスが崩れてしまうことが原因と考えられていますが、はっきりとしたことは分かっていません。
片頭痛の症状
痛む場所 | 片側もしくは両側のこめかみから目にかけて |
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痛み方 | ズキンズキンと脈打つような拍動性の痛み |
痛む期間 | ときどき発生、痛みが発生すると4~72時間ほど続く |
その他の症状 | 前兆として閃輝暗点(せんきあんてん)が現れたり、視野が狭くなったりする。 頭を動かすと痛みが増したり、吐き気を伴う激しい頭痛になる場合もある。片頭痛が起こると光や音、匂いなどに対して過度に敏感になり症状が悪化することもある。 |
片頭痛の前兆
片頭痛には、前兆が現れる場合があります。
片頭痛を持っている人のうち、およそ20~30%が「前兆のある片頭痛」と言われています。
頭痛の症状が現れる前に、目の前にチカチカと光の点が見えたり、視野が暗くなったり狭くなったりします。
光の点は、しだいに大きくなっていき、視界を塞いだり、見えにくくしたりしていきます。
刷りガラスのように見えたり、ギザギザした歯車のように見えたりすることもあるようです。
これらの前兆は、閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれ、前兆のある片頭痛における典型的な症状のひとつに挙げられています。
閃輝暗点は、目を閉じていても発生し、短時間で消えたり、現れたりを繰り返します。
芥川龍之介が、激しい頭痛の中で見た歯車は、この閃輝暗点ではないかと言われています。
片頭痛の原因
片頭痛の直接の原因は、血管の拡張による炎症や神経の圧迫によるものと考えられています。
血管が拡張する要因となっているものには、以下のものが挙げられます。
1. ストレスからの解放
2. 急な運動や入浴
3. 飲酒(特に赤ワインなど)
4. チョコレートやチーズ、うまみ調味料を含む食べ物
5. 寝不足や寝過ぎ
特に交感神経の働きで緊張状態にある平日のストレスから解放されて、休日に副交感神経の働きでリラックスした状態になる時、その落差が大きいと片頭痛が起きやすいようです。
飲酒による片頭痛の誘発は、日本頭痛学会でも指摘されていますが、チョコレートやチーズなどの摂取による誘発に関しては個人差があり、関連性としては懐疑的な意見が多いようです。
片頭痛の対処方法
週末に片頭痛が起きやすい場合は、平日のストレスを軽減し、休日も出来るだけ平日と変わらない規則正しい生活を送るようにしましょう。
飲酒や血管を拡張させる食べ物を控え、海藻類、ナッツ類、バナナなど、血管の拡張を抑える食べ物を積極的に摂るようにしましょう。
また、マグネシウムを含有したサプリメントも効果的です。
片頭痛が発生してしまった場合は、出来るだけ動かずに、部屋を暗くして音や匂いが少ないところで横になって安静にします。
市販の頭痛薬は、基本的に効果が期待できます。
コーヒー等に含まれるカフェインも血管収縮を促すため効果的ですが、カフェインの過剰摂取からの離脱症状で頭痛が起きる場合もあります。
無水カフェインの含まれている頭痛薬がより効果的ですが、薬物乱用頭痛になりやすいので使用回数を考える必要があります。
医師の処方による急性期治療としてトリプタン製剤やエルゴタミン製剤も効果的に使われています。
効き目に個人差があり、長期使用していると効きづらくなったり、離脱症状として悪化する場合もあります。